当院には炎症性腸疾患の患者会『虹の会』があります。平成12年10月に発足し、当院に通院中の患者さんだけでなく、院外からも当院の患者会に興味を持った方には参加してもらい、患者・家族同士や医療従事者と日常生活、病状、治療法などを相談する座談会を行ったり、医師などによるミニレクチャーを開催したりしています。
2019年は以下の内容で医師、看護師等によるミニレクチャーを開催しました。
3月 IBD(炎症性腸疾患)ナース
6月 直腸性便秘について
9月 変遷していくIBD治療
12月 炎症性腸疾患と障害年金
12月14日(土)に今年4回目の患者会が開催され、今回は当院の社会福祉士により『炎症性腸疾患と障害年金』という内容でミニレクチャーを行いました。患者さん7名、看護師4名、栄養士3名が参加しました。
ミニレクチャーの後に患者さんから色々なお話を聞くことができました。
・同じ病気の知り合いに色々聞いて受給申請の手続きを行った。
・受給申請の際、受付の対応は様々で、心無い言葉を言われたこともある。「(申請が)通ると良いですね」と優しい言葉かけをしてくれる人もいる。
・病気について説明をしてもなかなか理解してもらえず、上司に残業はいつできるのかと聞かれたことがある。
・年金=老齢年金と思われ、「若いのに年金?」と言われたことがある。 等々…
直接色々な思いを聞くことができ、つらい治療を終え、症状が落ち着いた後も様々な苦労をされていることを知りました。
疾患や治療に関する指導やケアはもちろんのこと日常生活において経済的な不安が軽減されるよう支援するために社会保障制度についても新しい情報を収集し患者さん・ご家族に提供していくことの大切さを改めて感じた患者会でした。
このようなミニレクチャーが友人や上司、同僚など、周囲の人たちに理解・協力してもらえるような環境作りの一助となれば幸いです。