本格的な高齢化社会に突入した日本。看護師の役割は一段と重要性が高まっています。病院から地域へ、病院から在宅へ、治療から支援へ。医療・介護の方向性に合わせ、看護師に求められる役割も多様化しています。
病院、介護施設、自宅。患者の居場所に応じ、看護師は対応しなければなりません。とくに、介護施設で働く看護師、訪問看護師にとって、介護の制度に関する知識、スキル等の修得は必須と言ってよいでしょう。
しかし、忙しく働く看護師が、自力でそうした知識やスキルを修得することは容易ではありません。
ナイチンゲール誓詞が語るように、看護師が「任務を忠実に尽くし」「力の限り任務の標準を高くすることに努める」ために、そうした習得機会を保障すべく、勤務先病院、介護施設、訪問看護ステーション等、事業者側の協力、政治・行政による政策的サポートが必要です。
ナイチンゲールは「看護師の自己犠牲のみに頼る活動は長続きしない」と語っていたと聞きます。病院、事業者、政治・行政一体となった看護師に対する支援体制の拡充が、高齢化時代の重要課題です。
そうであってこそ、「心より医師を助け、わが手に託された患者の幸のために身を捧げる」「犠牲なき献身こそ真の奉仕」というナイチンゲール誓詞の真髄が具現化されます。