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LINKED plus 明日への挑戦者

地域に「根ざす」を
より深く、もっと太く。

これまでもこれからも
尾西地区の医療と介護は私たちが守り抜く。

特定医療法人 泰玄会

一宮市尾西地区に根を下ろして、80年以上の歴史を刻む特定医療法人 泰玄会。
救急・急性期医療を提供する泰玄会病院を中心に、
法人内に慢性期病院、介護老人保健施設、
訪問看護ステーションなどを幅広く展開し、地域の安心を支えている。
同法人を率いる若きリーダー、宇佐美 覚理事長に、理念やビジョンを聞いた。

幅広い疾患に対応する急性期医療を堅持しつつ
時代のニーズに応え地域包括ケア病棟を開設。

「祖父母の代から、この病院にお世話になっています」。そう語る患者も多い、泰玄会病院。前身の森病院の設立は、昭和10年。現在地に、昭和30年に移転してから、長い歴史を刻んできた。

泰玄会病院は透析医療を核に、救急・急性期医療を提供する地域密着の病院。全133床という中小規模の病院ながら、標榜する診療科は22科目に及ぶ。「当院はずっと前から、町の病院として地域の皆さんに親しまれてきました。どんな病気やケガでもお断りせずに診察することこそ私たちの使命と考えています。その上で、当院でカバーできる疾患は当院でしっかり治療する、より専門的な医療が必要な場合は近隣の高度急性期病院にお願いしています」。そう語るのは、特定医療法人 泰玄会の理事長、宇佐美 覚である。小さな病気も見逃すことがないよう、CTやMRIといった最新検査機器も充実。医師たちは自分の専門領域にこだわらず、患者の全身を診て正しく診断する総合的診療能力を備えるよう努めてきた。「救急の疾患も含め、どんな病気でも診られる窓口の広さ、必要な検査も迅速に行える小回りの良さが当院の強みです」と、宇佐美は胸を張る。

そんな総合的な急性期病院が、ここにきて新たな改革を断行した。平成28年7月、一般病棟の33床を地域包括ケア病棟に転換し、ケアミックス病院としてスタートしたのだ。地域包括ケア病棟は、急性期を脱した患者の在宅復帰を支援すると同時に、在宅療養中の患者をフォローする病棟だが、転換の狙いはどこにあったのだろう。「ここ尾西地区も高齢化が進み、急性期の治療を終えてもすぐに在宅へ戻れない高齢患者さんが増えています。そういう方々を病院から在宅へスムーズに橋渡しする機能、そして在宅療養を支える機能が、今後は絶対に重要になると判断しました」と宇佐美は振り返る。

開設から約1年、地域包括ケア病棟は今、院内や他院から、急性期治療を終えた患者を数多く受け入れ、退院準備を進める病棟としてフル稼働している。

「この病棟ができて、患者さんを在宅へ繋ぐ流れが明確になったと感じています。また、在宅療養中に急性増悪した患者さんの緊急入院、ご家族の介護疲れの解消を目的としたレスパイト入院も受け入れているので、多方面の方々に喜んでいただいています。また、法人内の介護老人保健施設(以降、老健)や訪問看護ステーションと常に情報共有し、入院治療を必要とする方を随時、受け入れています。法人全体の医療機能としても、地域包括ケア病棟ができたことは大変、有意義だと思います」 (宇佐美)。

地域包括ケア病棟の開設はおおむね成功しているように見えるが、それを決意するまでは「1年間悩んだし、職員ともじっくり話し合った」と宇佐美は言う。「一番悩んだのは、病院運営に必要な収入を確保できるかどうか。次に、当院はずっと急性期の病院でしたから、職員のモチベーションを維持できるかどうかが心配でした。案の定、最初は幹部職員の間でも反対意見が主流でしたね」。その職員たちを納得させたのは、「地域包括ケア病棟を作っても、急性期医療を中核に据えていく」という確固たる方針だった。「急性期医療は当院の屋台骨であり、地域のニーズでもあります。そもそも、急性期医療機能があるからこそ、地域包括ケア病棟でさまざまな疾患の患者さんを受け入れることもできます。そうしたことを丁寧に説明することで職員の理解も得られ、ケアミックス病院へ進むことができました」。

地域に深く根ざした医療と介護の
コアステーションとして成長していく。

宇佐美が法人の理事長に就任したのは、平成26年。以前は大学病院に勤務していたが、先代である前理事長(現会長)をサポートするために4年ほど前に戻ってきた。そのとき、宇佐美は泰玄会病院にどんな印象を抱いたのか。「これは昔から変わらないのですが、ここには温かい雰囲気があるんですね。医師と患者さんが気さくに話せますし、大病院にはない組織の横の繋がりもあり、いい病院だなと改めて思いました」。その良さを守りつつ、宇佐美は泰玄会病院を核にした法人グループをより強いネットワークに育てようとしている。

「新しくできた地域包括ケア病棟を上手く活用しながら、法人内の病院や老健、在宅支援機能を有機的に繋いでいきたいと考えています。急性期疾患は泰玄会病院で診て、治療後、在宅に戻った後もずっと支援していく。すぐ自宅に戻れない場合は、老健や慢性期病院で受け入れる。その後、療養中の患者さんに何かあったら、地域包括ケア病棟で対応するといったサイクルを回していきます。また、法人内の2つの老健の内、一つは在宅支援機能が高い〈在宅強化型〉の施設に移行し、在宅復帰に向けたサービスを充実させていく計画です。また、訪問看護ステーションの機能を強化し、診療所の先生方と連携を深めていきたいと考えています」と、宇佐美は意欲を見せる。そうしたなかで、今後の課題は何だろうか。「やはり人材の確保ですね。平成29年、泰玄会病院では、眼科、整形外科に常勤医を迎えましたが、これからも医師や看護師をはじめとしたマンパワーの確保に力を入れます。私たちと同じ志を持つ仲間を増やしながら、尾西地区にさらに深く根を下ろし、高齢患者さんを支える医療と介護のコアステーションとして成長をめざしていきます」(宇佐美)。

泰玄会という名には、同法人の理念が込められている。「泰」は動かざるごと山の如し、「玄」は深きこと海の如し。この地域にどっしりと構え、どこまでも深く根づき、地域に必要な医療と介護を提供するコアステーションを志向している。

  • 泰玄会病院の大きな特色として、透析医療がある。昭和52年、4床の透析室で始まった血液透析療法は、今や70床(血液浄化センター)に増加。法人内の慢性期病院には、入院しながら透析を受けられる病床を44床揃え、通院できない高齢の透析患者を支えている。さらに通院して透析を受ける患者のために送迎サービスも実施。透析の施設が少ない尾西地区において、なくてはならない存在となっている。
  • 地域の透析医療をリードする立場から、最先端技術の追求にも余念がない。血液浄化センターでは、全国に先駆けて〈電解水透析〉システムを導入した。これは、水の電気分解によってできるマイナス極側の水(電解水)を利用した透析液を使うもの。電解水は、活性酸素の消去や抑制をする効果があり、酸化ストレスや炎症の抑制、血圧の安定化など、さまざまな症状の軽減が期待できるという。

ありふれた病気をきちんと診て、
治す機能こそ大切。

  • 急性期病院の運営において、幅広い診療科を標榜するのではなく、診療科目を絞り込んで、自分たちの得意分野を伸ばしていく戦略もある。しかし、泰玄会病院は、別の道を歩む。22科目という多様な診療科を揃え、あらゆる患者を受け入れ、一般的な疾患に幅広く対応できる診療体制を構築。ありふれた病気をきちんと診て、治す。より高度な医療が必要な場合は、近隣の高度急性期病院に紹介する体制を貫いている。
  • 地域住民にとって、遠方の大きな病院に行く前に、まずは近くに正しく診断してもらえる病院があるメリットは計り知れない。とくにこれからは、複数の慢性疾患を持つ高齢患者が増えることから、特定の診療科に偏ることなく、患者の全身を総合的に診る医療が重要になっていく。同院のオールラウンドな診療体制は、今後ますます真価を発揮していくのではないだろうか。

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