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LINKED plus 病院を知ろう

意欲ある医学生にこそ伝えたい。
〈羽津〉の研修医たちの熱い思い。

研修医でも〈医師〉。
主体性から得られる〈本物の学び〉。

JCHO四日市羽津医療センター

自分の専門じゃないから診られない。
というのは、医師として格好悪い!
同じ考えを持っているみんなへ、
他病院では絶対に得られない学びが、ここには、ある。

若い医師2人が口を揃えて語る
四日市羽津の自慢。

四日市羽津医療センターで初期研修を受ける阪口亮平医師と、後期研修医の下山貴寛医師は、ともに三重大学医学部出身。部活動でも先輩・後輩という間柄で、今では同院の若手医師たちを牽引するムードメーカーだ。同院での研修に話を振ると、2人から次々と同院の魅力が溢れ出てきた。

「初期研修があくまで研修医が主体で、堂々と自分の言葉で、診療科の垣根を越えて、ディスカッションしている様子が印象的でした」。学生時代に実習で訪れた下山は、その雰囲気に惹かれて同院での研修を選んだ。「この空気感のなかで、医師として学ぶべき基礎であるコモンディジーズに立ち向かい、自分で治療方針を立てる。その力を2年間で養うために最適の場所。2年間で救急時の対応は身につきました。初期対応でやるべきこと、聞くべきこと、そしてリスク判断を徹底的に教えてもらいましたから」。

うなずきながら聞いていた阪口も、「救急時の対応だけでなく、入院患者さんの主治医を早くから担当させてもらい、急変時の対応などが学べました。ただ指導医の先生から、『おい、やったんか!』と熱を帯びた指導を、日々、受けてますけどね」。その言葉に下山も同調し、「現在、第一線を守る指導医の先生たちに対して、僕らはいわば、三重県の地域医療の次の時代を担う世代。だから、5年後、10年後の成長を楽しみにしてくれながら、とても、とても厳しく、でも愛情を持って指導してもらってます」と話してくれた。

同院の指導医は、40~50代の経験豊富な医師たち。下山は「本当に贅沢な環境」だと話す。「いわゆる屋根瓦式で年齢の近い僕らが教えるのと、大学病院の講師や准教授クラスの先生が直接教えてくれるのとでは、技術や知識の幅が全然違う。日本トップクラスの実績を持つ先生もいますからね」。

また、「厳しい指導は先輩医師からだけではないんです。研修1年目から主治医になることで、ベテランの看護師さんたちからも、〈質問〉という形で強烈な指導を受ける。で、対応できなければまずい、という問題意識が生まれ、自ら学ぼうという意志がより一層強まっていくんです」(阪口)。医師だけでなくコメディカルも研修医の育成にコミットしているのだ。

主治医として芽生えた主体的な当事者意識は、患者の退院後の生活まで続く。「当院の魅力は、救急で診た患者さんを退院まで診られること。救急・急性期から在宅までを見据えた知識や経験が積めるのが大きいです」(下山)。

「例えば症状を判断するときに必要な、聞いておくべき微妙な心音の患者さんが来たら『ちょっと来い』とすぐに声をかけてくれます。大学病院の講師や准教授クラスの先生に直接指導してもらえる。本当に贅沢な、恵まれた環境です」(阪口)。

本当に良い病院だからまずは知ってもらいたい、
その魅力を伝えたい。

「実は、自慢話ばかりしてきたけど、一つだけとっても不満な点があるんです」。下山は、同院の魅力が医学生に周知されていない事実を指摘した。「うちは他の病院に比べて、広報がまだまだ不足していると思いますよ」と手厳しい。同院の魅力は、数字で単純に表せるものではなく、実際に触れてみないと分からないところにあるという。「やっぱりまずは知ってもらわないと絶対ダメです」と苦笑しながら下山は続ける。「これからの日本の医療を考えたとき、当院のような病院で学ぶことが、絶対に必要だと思います」。複数の疾患を抱えた高齢患者が急増するなか、特定領域の専門医療だけでは、充分な対応ができない状況が生まれてきている。学生時代には強く意識していなかった下山だが、初期研修を経て、診療科の垣根を越えて広範な疾患に対応すること、在宅までを見据えた診療を行うことの必要性を痛感しているという。「学生時代にもある程度意識はしていましたが、実際に生活に近いこの病院で研修を受けるなかで、改めて幅広く総合的に診る力の重要さを切実に感じます」。阪口も同様の思いを口にする。

「まずは医学生に当院の存在を知ってもらいたいですね。医学生のときは、研修先を考えるとき、単純に救急搬送件数などの〈数〉に目がいきがちです。うちの病院は三次救急病院と比べると、救急件数こそ少ないですが(年間約一千件)、そこで学ぶものは単なるトリアージと中身の濃さが断然違います。まずは実習に来てもらいたい。そうすれば、絶対、〈羽津での学び〉の良さが分かりますから」(阪口)。

「本当にいい病院だから、もっといろんな人に実習や見学に来てほしい」「だから、僕たち自身も、もっともっと後輩たちに伝えていかないといけないですよね」。

「みんなおいでや!」

「大学でもなかなか診られない膠原病の経験も積めるし、自分が所属する炎症性腸疾患(IBD)センターでは、クローン病や潰瘍性大腸炎といった特殊な治療にもあたれるんです。こうした尖った診療科で専門的な知識と経験を積み上げていけるのも、うちの大きな魅力です」(下山)。

  • 四日市羽津医療センターでの初期研修の特徴を如実に表すものが、1年目の早い段階から入院患者の主治医を担当させることだ。その目的は「医師としての主体性」の醸成だという。
  • 大病院の場合、例えば、研修医が救急で対応した患者がその後どうなったのかを知る術は、自分で意識してその患者のカルテを追っていくしかないのが実情だろう。
  • しかし同院では、教育プログラムの一環として、救急で自分が対応した患者が外来を訪れたときには、「昨日診た人が来たけど」と電話がかかってくる。さらに入院となった場合には、そのまま主治医になるほか、仮に担当する診療科が違っていたとしても、「その後どうですか?」と聞きに行くことが求められ、一人ひとりの患者への〈責任感〉を育むことが最重要項目として教育プログラムのなかに組み込まれている。

患者の生活と近い距離で
研修医が学ぶことの意味。

  • 超高齢社会における医療の目的が、患者を〈治す〉ことから、患者の今後の〈生活の質〉を高めることに大きく変わろうとしている。四日市羽津医療センターの2人の研修医の話から、地域医療の現場における臨床教育のあり方も、〈病気〉を診るものから、〈人〉をそして〈生活〉を診るものに大きく転換しようとする力強い息吹を感じた。
  • ただ一方、四日市羽津医療センターでの研修の魅力が、医学生にはまだ充分に伝わっていない。その結果、研修先として選ばれづらいという現実がある。
  • 是非、下山医師、阪口医師をはじめとした若い〈羽津〉の医師の皆さんには、これからの地域医療を守るパイオニアとして、臨床の現場で、地域生活者のための〈羽津の学び〉の有用性を実証し、多くの医学生の意識改革と〈羽津の学び〉に研修医を集める求心力になってもらいたいと強く期待する。皆さんのこれからの活躍にリンクトとして強いエールを送りたい。

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