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LINKED plus 病院を知ろう

「一点を突破する力」。
最高水準の医療を地域へ。

特化した専門性が、消化器領域で
地域の医療レベルを上げる。

医療法人
山下病院

超高齢社会への対応をめざし、我が国の医療は大きく変化している。
その変化に対し、専門病院として独自の道を貫き、果敢に挑戦を続ける病院。
それが山下病院である。
その独自の道とは...。理事長・服部昌志医師に聞く。

安全か。低侵襲か。
山下病院の最先端医療、その照準はここにある。

山下病院では、日本消化器内視鏡学会専門医17名と日本内視鏡外科学会技術認定医3名を中心に、消化器疾患に対して、内視鏡を駆使した検査、治療に力を注いでいる。検査では、胃、大腸の内視鏡検査をはじめ、超音波内視鏡検査、カプセル内視鏡検査、小腸ダブルバルーン内視鏡検査など、いずれもが最新鋭の検査機器を完備し、専門性の高い検査によって迅速・確実な診断へと結びつける。

治療で見ると、最先端治療法として、内科領域ではESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)に取り組む。この術式では、消化管の早期がんを開腹することなく切除が可能であり、大きい病変、切除が難しい位置にある病変なども内視鏡切除を可能としている。外科領域では、身体への負担が少ない腹腔鏡下手術を積極的に実施。なかでも、胃の粘膜下悪性腫瘍には、一般的には腹腔鏡下胃局所(部分)切除であるが、同院では内科・外科合同による、LECS(腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除術)を行う。それぞれ熟練した技術を有する内視鏡医と外科医の協働があってこそ可能な術式である。

開院時
戦後 高度成長期

これら検査、治療のなかには、大学病院クラスでしか行わないものがある。それに対し、理事長の服部昌志医師はこう語る。「当院が技術の高度化に挑むのは、最先端医療の恩恵を地域の患者さんに提供するためです。その最先端医療とは、ただ新しい技術であればよいというものではありません。いかに安全か、いかに低侵襲(身体への負担が少ない)かが、鍵。それによって、患者さんがより早く社会復帰できてこそ、最先端医療を導入する意味があると考えます。この考え方は、100年以上前から変わらぬ当院の信条です」。

服部の言葉の背景は、病院開設時まで遡る。同院は明治34年、地域住民の強い要請で尾張地方唯一の病院として誕生。明治から大正にかけては、大学で実績を挙げた名立たる医師を集め、地域への先進的な医療提供に全力を尽くした。そして、昭和に入り消化器領域に重きを置き、昭和35年には、尾張地方で初めて内視鏡検査を開始。平成に入ると大学病院と同時期に内視鏡治療を開始する。また、腹腔鏡下手術は、大腸、胃をはじめとする消化管悪性腫瘍に適用し、平成13年、同院は積み上げた実績をもとに、消化器単科の専門病院としての歩みを始めた。

開院時
戦後
高度成長期

山下病院が追求する最先端医療は、安全と低侵襲を目的としたものだ。その理由は、患者の治療後の生活にある。より質の高い生活を実現するには、正確な診断と高度な治療を、安全に、低侵襲で提供することが、何より必要と考えているのだ。生活を見つめた高度な専門医療。それが同院の最先端医療である。

治療後の生活の質を規定する、
高度な診断と治療。

超高齢社会を迎えた今、我が国の医療は、変化を遂げつつある。そこにあるのは、完全な治癒が望めなくても、その後の生活の質をいかに高めるかという観点。その上で、医療の中心を病院から在宅に移すとともに、役割の異なる地域医療機関が相互に連携し、効率的な医療提供を図ろうとしているのだ。

こうしたなかで、同院がめざすものは何か。服部は「当院は、複合疾患には対応できません。患者さんの日々の生活に寄り添うこともできません」と言い、こう続けた。「当院がめざすのは、消化器領域で日本最高水準の医療を提供する病院です。正確な診断と高度な治療が、その後の生活を規定すると考え、人も機器も消化器領域に集中させ、高度化を図ってきました。その専門性で、地域の消化器領域の医療レベルを上げる。この地域から出ていかずとも、日本の最高レベルの医療を受けることができる。これを実現させるのが当院の使命だと考えます。そのため、総合的な視点で生命を救う、手厚いリハビリで在宅復帰を支援する、あるいは、治療後の生活を支えることは、地域の他の医療機関にお任せし、そうした皆さまと手を携えていきたいと考えます」。

さらに、服部は言う。「当院が今、注目するのは大腸です。なかでも大腸がんは、胃がんに代わり日本で最も罹患率の高いがんになりました。当院では平成15年から大腸CTを導入し、患者さんの負担を大幅に下げる検査環境を整えるとともに、内視鏡治療、腹腔鏡下手術では高い安全性を追求するなど、徹底的に大腸に取り組みたいと考えています。その上で、めざすのは、消化器病センター。その名のとおり、消化器のあらゆる疾患に対応する拠点病院ですね。対象エリアは尾張西部医療圏(一宮市・稲沢市)に限らず、愛知県全域を視野に入れています」。力強い言葉が、専門病院として自らを練磨し、独自の道を歩む山下病院の未来像を描き出した。

山下病院の内視鏡検査数は、胃の内視鏡検査だけで年間約1万件。専門医トレーニングの視点で見ると、大学病院での1カ月分を、同院では1週間で学べる。消化器専門病院として、どんどん突き詰めているからこそ、獲得し得る実績。地域の信頼に応えるための挑戦は、今後もさらに続いていく。

  • 山下病院は年平均20名の非常勤医師がいる。通常、この規模の病院で、これだけの非常勤医師を抱えることはない。しかも彼らは、医師になったばかりの若手研修医ではなく、これから脂が乗ってくる、強者揃いの専門医たちばかりだ。
  • 専門医にとって重要なことは、いかに臨床現場で研鑽を積むかである。
  • だが、大学病院だけでは、そうした専門医たちが学ぶに充分な症例数を満たすことはできない。圧倒的な症例数を持つ山下病院が、それを補い続けてきた。
  • すなわち、山下病院は、専門医のための臨床トレーニングの場。彼らは同院で最先端の治療の訓練を充分に重ねた後、専門医の一つ上のクラスである指導医の資格を取得。市中病院に派遣され、医師になったばかりの研修医、あるいは専門医をめざす医師たちを指導する。
  • 非常勤医師数の多さ。それこそが同院の医療水準の高さ、専門特化した環境を物語っている。

民間病院ならではの活力が、
地域の医療を築く、守る。

  • 医療機関は、地域にとって〈公〉の機能を担う。それは公立病院、公的病院、民間病院であっても同じだ。大切なことは、地域を見つめ続ける目を持つこと。そして地域の声を聞き、それにどう応えるか考えること。そして、最も重要なのは、蓄積した医療技術を軸に、地域のためにいかに存続し続けるかではないだろうか。
  • 山下病院の歴史は100年を優に超える。その間には、経営者によっていくつもの重要な判断があった。いつの時代にも貫かれた思いは、安全。これがベースとなり、低侵襲医療(内視鏡)、消化領域への特化、連携の強化に結びついている。時代にふさわしい病院のあり方を、模索し続けるなかでの選択と集中といえよう。
  • こうしたダイナミックな運営手法は、民間病院ならではといえる。形にとらわれず、地域医療のために、自分たちができることはすべてやる。そこに医療者のプライドを懸けた闘いが垣間見られる。

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