LINKED plus

LINKED plus 病院を知ろう

あなたの健康寿命は
もっと延ばせる。

みよし市民病院

市民の皆さんの健康を維持していくために
健診・がん検診サービスに力を注ぐ。

健診を充実させるために
毎月、健診科内会議を開催。

早春のある日、みよし市民病院の会議室に、健診科の職員(医師、看護師、臨床検査技師、事務職)が集まっていた。開かれていたのは、月1回の「健診科内会議」である。この日のテーマは「市民に、健診をちゃんと受けてもらえるようにするにはどうすればよいか」。実は同院では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一部の健診・がん検診を一時的に中止せざるを得ない状況があった。しかし現在は市民の健康維持を優先し、感染対策を充分に施した上で健診事業をさらに推進していこうとしているのだ。

「健診に無関心な若い人にも、もっとアピールしていきたいね」「そうそう、30代後半の人にも毎年、健診を受けてもらいたいですね。若い頃から健診を受ける習慣が身についていれば、病気になることなく、長く元気に暮らしてもらえると思う」「反対に、高齢者の健診の裾野も広げていきたいですね」「今の特定健診(※)はメタボリックシンドロームに着目した内容だけど、フレイル(加齢に伴う心身の衰え)の早期発見を念頭に置いた75歳以上の後期高齢者向けの健診はどうだろう」「それはいい。うちのおばあちゃんにもぜひ勧めたい」−−わずかな時間で、いろいろなアイデアが次々と提案される。どのように具体化していくか、職員たちはさらに議論を深めていった。

※特定健診(特定健康診査)は、生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診。対象者は40歳以上75歳未満。

この会議のリーダーを務めるのは、副院長兼総合診療科内科部長の神部隆吉である。「当院の職員はとにかく、みよし市民のために力を尽くそうという気概がある人ばかり。だから、この会議でもいつも熱い議論が交わされます」と笑みを浮かべる。実は、すでに具体化された企画もある。コロナ禍で開催できない状況が続いているが、同院では、平日忙しい女性のために、市が実施する〈レディース健診〉の土曜日開催を検討。令和3年度は1回だけ開催することができたという。「みよし市ともタイアップして、市民の皆さんの利便性やお得感に繋がる企画をどんどんカタチにしていきたいと考えています」と神部は意欲を燃やす。

5年後、10年後の健康を
今のうちに蓄える。

神部が、健診の企画に力を入れるのは、ここ2年余り、長引くコロナ禍の診療で、たびたび悔しい思いをしてきたからだ。「先月も、がん検診で早期胃がんを発見。当院で内視鏡的に切除しましたが、病理結果でがんが基準よりわずか0.3㎜深く進行していたために、やむなく外科切除追加の方針となった患者さんがみえました。あと半年早く見つけていれば、体に負担の少ない内視鏡だけで根治したはず。そう思うと、患者さんも私も非常に悔しかったですね」と打ち明ける。

長引くコロナ禍にあって、多くの病院では、患者の受診控えが生じている。「高血圧や脂質異常症など比較的症状の軽い方は、ご自身の判断で受診を後回しにすることも珍しくありません。でも、その間、生活習慣病が悪化すれば、本来なら予防できていた脳梗塞や心筋梗塞を発症するリスクも高まります。今、健康管理に努めることが、5年後、10年後の健康を作り、長い目で見ると健康寿命の延伸に繋がることを、市民の皆さんにもっと知ってほしいですね」と神部は強調する。

健康管理で重要な鍵を握るのが、病気の早期発見に欠かせない健診やがん検診である。「市民の健康を守るための健診・がん検診は、私たち市民病院の重要な役割。しかも、当院にはベテランの医師が揃っていますから、検査結果の評価にも自信を持っています。たとえば、検査で胃炎が見つかった場合も、それが将来、胃がんになりやすいかどうかまで検討し、丁寧にお伝えできます。そうした病気に対する鼻の利かせ方は、経験豊富だからこそできるものです」と神部は話し、さらに続けた。「もう一つの当院の強みは、健診だけで終わらず、その後の治療まで一貫してフォローできるところです。各診療科の医師が診療にあたり、必要に応じて専門的な病院を紹介することもできます。そういう意味でも、安心して当院で健康診断を受けてほしいと思います」。

  • 健診を受ける意義について問われたら、何て答えるだろうか。真っ先に出てくるのは、自分のため、そして、大事な家族のためだろう。
  • しかし、もう少し考えると、健診を受けるのは社会のためでもある。人は皆、社会の一員である。一人ひとりが元気で健康に過ごすことができれば、社会の安定した発展に繋がっていく。ときには、そんな大きな視野で自分の健康を見つめ、健康管理を心がけることも大切ではないだろうか。

コロナ禍で停滞した
予防医療を取り戻す。

  • 日本人の死因の上位を占めるがん。そのうち、ある一定程度の割合の人は、がん検診で病気が見つかっている。しかし、その重要なスクリーニングの機会は長引くコロナ禍で停滞。早期がんの発見件数は減っているという。
  • 「コロナがなければ発見できたのに」という無念を晴らすには、病院の健診体制を通常に戻していくこと。そして、市民もまた、健診を先延ばしにせずちゃんと受けていくことが大切ではないだろうか。

Copyright © PROJECT LINKED LLC.
All Rights Reserved.