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みよし市民病院
2024年9月、特定技能制度を利用して、
ベトナムから2名の介護職員を採用。
来日間もないベトナム人職員を囲んで座談会を開催。日本語がわからないところは通訳が補いつつ、仕事や目標、支援体制などについて話し合った。
---まずは自己紹介からお願いします。
ノン・ティ・タム ハノイ出身の29歳です。
グエン・ティ・ミー ホーチミン出身、35歳になります。
---お二人ともベトナムで、介護や日本語を学んでこられたと聞きました。
タム はい。1年くらい勉強して、特定技能の試験に合格することができました。
ミー ただ、日本語はむずかしくて、日本語教室にも通わせてもらっています。
タム 日本語をもっと覚えて、日本語能力試験でさらに上のレベルをめざしていきたいですね。
---介護のお仕事はどうですか。
ミー 慣れないことが多いですが、病棟の皆さんが親切に教えてくださいます。
タム ベッドまわりの掃除の仕方やシーツ交換も覚えました。
岡田浩幸(介護福祉士) 二人とも、何事にも一生懸命に取り組んでくれていますね。シーツ交換に一緒に入ったスタッフも、彼女たちの仕事がとてもきれいで丁寧だと、感心していました。
近藤千春(看護師長) それに、二人とも優しいですよね。笑顔もいいですし、介護職に向いています。
ミー 私はお年寄りのお世話をするのが好きなので、毎日、楽しいです。
タム 私は介護福祉士の資格を取るのが目標です。介護士としてずっと日本で働きたいと思っています。
近藤 何か困っていることはないですか。
ミー 大丈夫です。
タム 買い物もしていますが、日本はとても暮らしやすいです。
ミー 教育係の岡田さんも、実のお兄さんのように親切で...。
岡田 何でも相談してくださいね。
---お二人を迎えるためにどんな準備をされましたか。
近藤 2023年の10月に、外国籍の人材を採用している病院へ見学に行って、翌月〈外国籍職員支援委員会〉を立ち上げ、院長や総看護師長、岡田をはじめとした教育担当の介護士などが集まり、検討を重ねてきました。
岡田 この制度を利用するのは初めてでしたから、職員にどうすれば理解してもらえるか検討しましたね。電子カルテのトップページで特定技能制度について紹介したり、二人のポスターを院内に貼りました。
近藤 それに、外部講師を招いてベトナムを知る勉強会を開いたり、職員が集まる歓送迎会で、ベトナムとオンラインで繋いで、二人に自己紹介もしてもらいました。顔見知りの関係を作ったこともあり、職員たちも快く受け入れてくれているようです。
---そもそも特定技能制度を利用したのはどうしてですか。
近藤 やはり介護の人材不足です。若い力に頼りたいとなると、国内だけではもはや限界です。今回の試みを成功させ、ゆくゆくは継続的に外国人材を確保していきたいと考えています。
岡田 彼女たちに長く働いていただいて、いずれは次に来日する後輩たちの教育係になってほしいですね。
近藤 教えることは彼女たち自身の成長にもつながりますしね。
岡田 また、彼女たちは我々と違う視点を持っているので、そこにも期待しています。我々もいい刺激を受けて、介護の質のレベルアップに繋げていきたいと思います。
近藤 本当にそうですね。彼女たちの優しさや一生懸命でひたむきな姿勢は、私たちも見習いたいと思います。
岡田 外国人職員に慣れない患者さんも多いと思いますが、ぜひ温かい目で見守っていただけるとありがたいです。
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