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地域から信頼され、
選ばれる病院をめざして。

岡崎市民病院

小林靖院長に聞く、DPC特定病院群の
認定と、これからの病院運営。

高度な診療機能が評価され
DPC特定病院群に認定。

---DPC特定病院群について教えてください。

小林 DPC特定病院群は、大学病院本院並みの高度な医療を提供している病院を示すものです(詳しくはコラム参照)。当院は令和6(2024)年度診療報酬改定において厚生労働省からDPC特定病院群の指定を受けました。

---今回の認定について、どのように受け止めていらっしゃいますか。

小林 やはりこの地域の基幹病院として診療の拡充に取り組み、オールラウンドの診療機能を備えてきたことが公的に認められたものと、うれしく思っています。たとえば、昔から培ってきた当院の強みは心・血管系疾患を中心とした診療ですが、この領域についても、時代とともに診療体制を拡大してきました。現在は虚血性疾患に加え、不整脈や心臓弁膜症の治療も積極的に推進。ハイブリッド手術室では、心臓血管外科、循環器内科、放射線科、麻酔科が連携し、複数の治療手技を組み合わせるハイブリッド治療に取り組んでいます。

---そのほかに大きく広げてきた診療分野はありますか。

小林 たとえば、がん診療についても、愛知県がんセンター愛知病院と統合してから、より一層診療体制を充実させてきました。現在は診断、手術、薬物治療、放射線治療、がんサポートの各部門から構成されるがんセンターを開設し、高度な医療と手厚いケアにより、難易度の高い手術からその後の継続治療まですべてを担っています。そのほか、股関節や脊椎などの運動器疾患についても最新の知見を取り入れ、高度な治療を推進しています。昨年、人工関節手術支援ロボットの導入を決定し、8月には、最先端のロボット治療を開始する予定です。このように幅広い診療領域において、高度な急性期医療を提供すると同時に、当院は第3次救急医療機関の役割も果たしています。一刻を争う緊急の疾患を受け入れ、適切な医療を提供するとともに、地域の医療機関と連携して継続してサポートしていく。高度医療と救急医療、そして地域医療支援の3つの柱で、基幹病院としての実力が評価されたものと自負しています。

DPC特定病院群として
さらなるレベルアップを

---今回の認定を機に、病院全体として、今後どんな医療をめざしていくお考えですか。

小林 DPC対象病院には、医療の透明化、医療の質の向上、医療の効率化、標準化という4つの項目の追求が求められています。その原点に立ち返り、それぞれの項目でワンランク上をめざしていこうと考えています。

---具体的な計画を教えてください。

小林 医療の透明化では、患者参加型医療をめざしていきます。本来、医師と患者さんは対等な立場ですから、もっと患者さんに参加していただきたいと考えています。そのため患者サポートセンターも開設し、患者さん一人ひとりに寄り添う体制を強化していきます。医療の質の向上では、今年度より医療安全推進センターを開設し、感染対策も含めて医療安全に精力的に活動していきます。医療の効率化では、従来の業務を見直し、改善すべきところはどんどん改善していきます。そのため、外部の調査機関に日常看護業務などの解析も依頼していく計画です。

---4つめの医療の標準化についてはどのようなお考えですか。

小林 診療ガイドラインに沿った標準的な治療は当然で、もう一歩視線を広げて、地域全体で標準的な治療をめざしていきたいと考えています。たとえば、大腿骨頚部骨折や脳卒中で行っている地域連携パス(※)の運営にも力を注いでいます。また、医薬品についても地域内の標準化を進め、どの医療機関でも同じ薬が処方されるような体制づくりをめざしていきます。

※地域の医療・介護に関わる人が連携し、同じ治療計画に沿って継続的に診療を行うための仕組み。

---なるほど、多様な側面でレベルアップが期待できそうです。

小林 はい。今後ともこの地域の医療を支える基幹病院としての責務をしっかり果たし、地域の皆さまから信頼され選ばれるエクセレント・ホスピタルという当院のビジョンを実現していきたいと思います。

  • DPC特定病院群とは、大学病院本院に準じた「診療密度」「医師研修の実施」「高度な医療技術の実施」「重症患者に対する診療の実施」機能を有するとして、厚生労働省が指定する医療機関群。
  • 2024年6月1日時点見込みでDPC対象病院は全国に1786施設。このうちDPC特定病院群は178施設のみで、地域の中核病院として、より高度で質の高い医療を提供することが期待されている。

DPC特定病院群の係数を
病院の成長に活かす。

  • DPC対象病院になるメリットの一つは、病院の実力が可視化されることである。診療実績などさまざまなポイントが機能評価係数で細かく評価されるので、DPC特定病院群の中でも、どの施設が高みをめざして質の高い診療に取り組んでいるか、明らかになる。
  • 岡崎市民病院は、DPCの機能評価係数を分析することで自分たちの医療体制を客観的に見直し、よりハイレベルな病院への飛躍をめざしている。

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